歴史あふれるメキシコ・グアナファト
グアナファト、どんな街?
グアナファトは、スペイン植民地時代(16世紀~18世紀)の面影を残す街で、カラフルな家々が立ち並ぶ街並みは「宝石箱をひっくり返したような街」と表現されます。
メキシコシティから車で約5時間の「グアナフアト歴史地区」は1988年、世界遺産に登録されました。
レオンからは車で1時間ほどで到着しますので、レオン近郊在住の方にはぜひ訪れてほしい街です。
おすすめは夜間、ピピラの展望台から見下ろすキラキラした景色!(注:暗くなってからは、安全のために、徒歩ではなく必ずケーブルカーを使用しましょう)
ピピラの展望台にはメキシコ独立戦争の際に活躍した人物の像があり、グアナファトでは英雄的存在として市民から愛されています。
2017年に公開されたディズニーのピクサー映画「リメンバーミー」の舞台となったことでも有名です。
可愛らしい街並みも雰囲気があって、何度も訪れたくなります。
位置情報
グアナファトはレオンから車で1時間ほど東に向かったところに位置します。
道路が狭く多くの人々が訪れる街なので、連休などは非常に混み合い、街中は運転しにくいです。
車を駐車場に停めて歩くか、タクシーやUberで中心部まで行くことをおすすめします。駐車場は以下の2箇所のどちらかだと端からくまなく観光ができて良いでしょう。
どちらも屋内駐車場で、精算には紙幣でなく、コインが必要です。
ピピラの丘に近い駐車場は、夜間は安全性に欠けるようですので、避けた方が良いかもしれません。
駐車場1
駐車場2
歴史あふれるグアナファト観光おすすめ
ピピラの丘からの眺め
グアナファトの街を一望できる観光スポット、ピピラの丘。
「宝石箱をひっくり返したような街」と表現される街並みは、ここから眺めることができます。
昼間はカラフルで「おもちゃ箱をひっくり返したような可愛らしい街並み」が、夜間はライトがキラキラして「宝石のような輝きを持った街並み」が見られます。
ピピラの丘へ登るには、徒歩かケーブルカーを利用します。
夕刻以降は人通りも少なくなり、強盗に遭うことを避けるためにケーブルカーを利用しましょう。
ケーブルカー乗り場はファレス劇場の横の道を入っていったところにあります。
ピピラの丘の上には屋台やお店があり、タコスやケサディーヤなど、地元の味を楽しむことができます。美味しいです!
ここで、メキシコでは大事な「お手洗い情報」!
ケーブルカーに乗る前か、ケーブルカーで上に到着した後、小径を登っていくと途中にあります。
上のお手洗いの前には係員がいて、5ペソ払って紙をもらって中に入ります。(注:2022年10月現在)
【追記】2022年12月末には上のお手洗いは開いていませんでした。
El Pipila Statue(ピピラの丘の像)
ピピラの丘には数メートルもある巨大な人物像が建っていて、グアナファトの街を見守っています。
彼の名前は、フアン・ホセ・デ・ロス・レジェス・マルティネス・アマロ、鉱夫でした。
メキシコ独立戦争の際に活躍したと言われる英雄です。
独立戦争でアルホーンディガ・デ・グラナディタスという穀倉にスペイン人たちが立て篭もっていたときに、革命家たちにが中に入れるよう、大きな石を背負い木製の扉を壊して協力したと言われています。
現地の人々は愛国心が強いため、独立戦争で活躍したこの英雄の像を作り、讃えています。
Guanajuato University(グアナファト大学)
グアナファト大学は、メキシコを代表する国立大学の一つです。こんな素敵な大学で勉強できるなんて、羨ましいですよね!
この白く美しい建物、素晴らしい装飾、一見の価値があります!1950年代に建てられたものです。
この建築様式の由来はスペインの植民地時代にあり、当時メキシコ全土で美しい教会を建て、スペインの教育を組織してきた「イエズス会」に関係しています。
大学が開いていれば、この手前80段ほどの石段を登っていくと、中の様子を覗くことができます。
石段は全て含めると、130段ほどもあるそうですよ。
Basílica Colegiata(バシリカ大聖堂)
グアナフアトの中心部には、20以上も、数多くの美しい教会や礼拝所があります。
このバシリカ大聖堂は、街の中心であるラパス広場にあり、「ヌエストラ・セニョーラ・デ・グアナフアト」の名で多くの人々に知られています。
バロック様式のバシリカ大聖堂は当初1671年に建設されましたが、スペインからの独立後、有力な男爵の意向により富を誇示させるために改築されました。
メキシコで最も重要な像の1つである「グアナフアトの聖母像」が安置されています。
世界遺産であるグアナファトのメインカラー、赤と黄色で塗られたバシリカ大聖堂は、この街で最も魅力的な教会と言われています。
教会の内部も素晴らしいです。ぜひ訪れてください。
Mercado Hidalgo(イダルゴ市場)
これ、なんの建物か想像つきますか?なんだか駅の入り口のような…。
外観からは想像がつかないのですが、この中は市場になっており、地元の人々の生活の中心部です。
この建物は昔、鉄道開通のために駅舎として建てたのですが、結局鉄道は開通せず、地元の人々が使えるように、と市場として生まれ変わりました。
中は広々として、飲食店、洋服屋さん、土産物屋さん…さまざまなお店が入っていて、お昼を過ぎると観光客も増え活気に溢れますが、朝早すぎるとお店は開いていませんのでご注意を。
「イダルゴ市場」という命名されたのは、メキシコ革命の中心人物となった司祭、「ミゲル・イダルゴ」が由来となっています。
Teatro Juarez(ファレス劇場)
グアナフアトの中心部に位置するこの劇場は、メキシコで最も権威のある劇場の1つとされています。
1903年にポルフィリオ・ディアス大統領によって設立され、古代ローマ建築を彷彿とさせるような、柱と豪華なデザインが特徴的な劇場です。
エントランスはローマのパルテノンの柱を表現し、屋上にはギリシャ神話をモチーフにしたブロンズ像が設置されています。
現在でもこの街の演劇の中心となっていて、劇場の見学ツアーに参加することもできます。
約30年の建設期間を経て1930年にオープン後は、演劇、ミュージカル、などさまざまなショーが開催され、人々に親しまれています。
「Rincon Artesanal(リンコン・アルテサナル)」セルビン焼のお店
「セルビン焼き」とは、メキシコので、Javier Servin(ハビエル・セルビン)で作られている高級陶器で、一つ一つ手仕事で描かれる繊細な模様の、とても可愛らしい商品です。
「Rincon Artesanal(リンコン・アルテサナル)」の店内には、ブルー系やオレンジ系、白系、さまざまなセルビン焼きの商品でいっぱい!
お皿や、定番のコーヒーカップ、お猪口や急須などのセルビン焼き商品もあります。
セルビン焼きと似ていますが、より細かい花や葉模様が描かれた「チュクアン焼き」の商品もたくさん置いてあります。
日本を訪れたことのある、お店のパメラおばあちゃんは「この人、日本のお客さんかな?」と思うと、カタコトですが日本語で頑張って営業してきて微笑ましいです。英語も堪能です。
日本出身だというと、「日本の古いお友達とのやりとりがずっと続いているんだよ。」と手紙や写真を見せてくれました。
店内は写真撮影禁止ですので、お気をつけください。
Callejón del Beso(口づけの小径)
グアナフアトで最も人気のある観光スポット、口づけの小径。
路地がとても狭く、建物と建物が口づけができるほどに近く並んでいます。
ある貴族の娘が貧しい労働者と恋に落ち、この狭い路地を挟んで住み、バルコニー越しにこっそり会話を交わしたという伝説が残る小径です。
観光客に大人気の「映える」写真スポットで、ここの階段で恋人にキスをすると、7年間の愛が続くとの言い伝えがあります。
ただ、現在は路地の入り口にベニヤ板が設置されていて、この再現はできなくなっています。(2022年10月現在)
写真家や観光ガイドも絡んでいる、所有者同士の対立があるためだそうです。残念…。
その後はまた開放されているのかな?
The Alhóndiga de Granaditas (アルホンディガ・デ・グラナディタス)
グアナファトは、メキシコ独立戦争時、スペインから最初に解放された都市の一つです。
ピピラの丘から街を見守っている英雄が活躍したのがこの場所で、アルホンディガはかつて地元の人々が穀物を貯蔵する穀倉だったのですが、頑丈な石造りのため要塞としても機能していたのです。
現在、この建物の中にはグアナフアト地方博物館があり、独立戦争前後の写真がたくさん展示されています。
また、独立戦争に関わった人々の肖像画や、家族の歴史なども垣間見ることができます。
この博物館の中の壁や階段には、戦争の物語や伝説、英雄たちが描かれており、当時のことを語っています。
小さなお子様には中が少し怖い雰囲気がありますので、歴史を学ぶ中高生以上におすすめです。
Museum of the Mummies(ミイラ博物館)
メキシコでは、19世紀に発生した伝染病の流行で多くの人々が亡くなりました。
この博物館には、亡くなった人のお墓を建てるのが難しい、また墓料を払う余裕がないような貧しい家庭の人々のミイラが展示されています。
メキシコの、非常に乾燥した気候も相まって、この地区には数多くのミイラが残されており、博物館ができるほどミイラが存在するというわけです。
ミイラ博物館はグアナファトで最も人気のあるスポットの1つで、地元の習慣や伝統に基づく、重要な文化的遺産とも言えるでしょう。
成人のミイラから、なんと胎児のミイラまで展示してあり、撮影も自由に可能です。
ズバリ、不気味なものが観たい方にはおすすめです。
ここも小さなお子様は泣いちゃうよね…。
番外編
現地の服や帽子や靴などを売っている、こんな可愛らしいお店もありますよ。
まとめ
世界遺産、グアナファトは、メキシコの人々にとって歴史上とても重要な意味を持つ、素敵な街です。
グアナファト観光で私のおすすめ観光名所は、以下の通りです。
- ピピラの丘
- El Pipila Statue(ピピラの丘の像)
- Guanajuato University(グアナファト大学)
- Basílica Colegiata(バシリカ大聖堂)
- Mercado Hidalgo(イダルゴ市場)
- Teatro Juarez(ファレス劇場)
- 「Rincon Artesanal(リンコン・アルテサナル)」セルビン焼のお店
- Callejón del Beso(口づけの小径)
- The Alhóndiga de Granaditas (アルホンディガ・デ・グラナディタス)
- Museum of the Mummies(ミイラ博物館)
この他にも、グアナファトには無数の地下道が走っていて、興味がある方には地下道探索もおすすめです。
みなさんも是非、このおすすめの観光名所でメキシコの歴史を感じてください。
今回も読んでくださって「Gracias!」